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今月の特集1 腫瘍循環器学を学ぶ
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
Cancer therapeutics-related cardiac dysfunction (CTRCD)
大谷 規彰
1,2
1国立病院機構九州医療センター循環器内科
2九州大学大学院医学研究院循環器内科学
キーワード:
がん治療薬
,
左室機能障害
,
がん治療関連心機能障害モニタリング
,
CTRCDモニタリング
,
画像検査法
,
バイオマーカー
Keyword:
がん治療薬
,
左室機能障害
,
がん治療関連心機能障害モニタリング
,
CTRCDモニタリング
,
画像検査法
,
バイオマーカー
pp.692-697
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203020
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Point
●がん治療薬が心血管毒性を引き起こしうることはよく知られている.そのなかでがん治療薬の使用を制限する最大の心血管毒性は左室機能障害であり,がん治療関連心機能障害(CTRCD)と呼ばれる.
●CTRCDの発症はそれ自体が患者の予後を悪化させるだけでなく,患者にとって生命線といえるがん治療の変更を余儀なくさせるため,CTRCD発症の危険性があるがん治療薬を使用する患者のモニタリングは必須である.
●繰り返し評価できる心エコーでの左室駆出率(LVEF)はCTRCDモニタリングの中心であるが,心筋の長軸方向の収縮機能指標であるGLSや心臓MRIによるCTRCDモニタリング方法も支持されてきている.
●トロポニンや脳性ナトリウム利尿ペプチドをはじめとする心臓バイオマーカーはCTRCDを早期検出してモニタリングする方法として広く使われるようになったが,異常値閾値の確立が必要である.
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