誌上ディベート
術後パクリタキセル終了半年後に再発したトリプルネガティブ乳癌に対してアテゾリズマブ(+アルブミン懸濁パクリタキセル)を使用すべきか 「すべきである」とする立場から
能澤 一樹
1
,
岩田 広治
2
1愛知県がんセンター薬物療法部/乳腺科部
2愛知県がんセンター乳腺科部部長/副院長
pp.38-42
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.07.01_0038-0042
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切除不能トリプルネガティブ乳癌は,他のサブタイプと比較して予後不良であることが知られている1)。近年,多種多様な薬剤が開発されている乳癌領域であるが,トリプルネガティブ乳癌に対する有効な治療の確立は,現時点においても重要な課題である。免疫療法は,乳癌に対してこれまで有効性を示した薬剤がなく,他癌種と比較して開発が遅れていたが,IMpassion130試験で初めて乳癌に対する第Ⅲ相試験において有効性を示した2)。本試験を皮切りに,化学療法と併用下での免疫チェックポイント阻害薬の有効性を検証する試験が進行中,もしくは報告されている。このような背景のなか,本邦の『乳癌診療ガイドライン2018年版Ver.4』では,「Programmed cell deathligand 1(PD-L1)陽性のトリプルネガティブ乳癌の転移・再発一次治療として,化学療法(アルブミン懸濁パクリタキセル)にアテゾリズマブを併用することを弱く推奨する」と記載されている。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。また,特定の薬剤の誹謗をするものではありません。・論点整理/南博信・「すべきである」とする立場から/能澤一樹/岩田広治・「すべきでない」とする立場から/青山陽亮/田辺裕子
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