特集 補完代替医療のこれから
補完代替医療の安全性と有効性
福井 次矢
1
,
山下 仁
2
,
蒲原 聖可
3
,
川嶋 朗
4
,
白川 太郎
5
,
徳田 安春
6
,
高橋 理
1
,
小俣 富美雄
1
,
大出 幸子
7
,
竹谷内 克彰
8
,
鶴岡 浩樹
9
1聖路加国際病院
2森ノ宮医療大学
3健康科学大学
4東京女子医科大学
5白川太郎クリニック
6筑波大学
7聖ルカ・ライフサイエンス研究所
8東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック
9つるかめ診療所
キーワード:
CAM(Complementary and Alternative Medicine)
,
安全性
,
有効性
,
科学的検証
,
情報の公開
Keyword:
CAM(Complementary and Alternative Medicine)
,
安全性
,
有効性
,
科学的検証
,
情報の公開
pp.898-902
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101567
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本邦は諸外国に類を見ないほどの高齢化社会を迎えており,がんや血管疾患の発症率・罹病率が高くなり,疾病発症後の治療だけでなく予防医学が重要視されるようになった.このような現代先進国における疾病構造の変化と患者ニーズの多様性にともない,西洋医学だけでなく相補代替医療(CAM)への関心が高まってきている.最近ではCAMと現代医学の優れた部分を合わせて「統合医療(IM)」という新たな医療概念が提唱され,患者ケアの質を上げるための模索が行われている.
しかしながら,統合医療の重要な構成要素であるCAMについては,科学的(EBM―Evidence-Based Medicine―の概念に則った)手順による検証が十分でなく,欧米先進国では,大規模な国家予算を投入してCAMの臨床研究を急ピッチで進めると同時に,統合医療の評価によりふさわしい研究方法論を開発すべく,模索が続いている.一方,わが国ではCAMの普及状況に関する記述データさえ乏しく,CAMの科学的検証は欧米先進国に大きく後れをとっている.
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