Clinical Report
治療に難渋した「節酒」希望の独居の重症アルコール依存症の一例
杉原 正子
1
1まさこ心のクリニック自由が丘 院長
pp.42-44
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.11.01_0042-0044
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最近,世界的な流れとして,依存度の低い場合や飲酒による重篤な問題がない場合に,断酒以外の選択肢として節酒を取り入れる動きがある1)。また,2011年の英国国立医療技術評価機構(National Institute forHealth and Clinical Excellence:NICE)のアルコール使用障害の治療ガイドラインでは,「重症のアルコール依存症者や乱用者で,重大な精神的または身体的な合併症があるにもかかわらず,断酒の意志がない,あるいは,体系的な治療を受けていない者に対しては,二次被害低減(ハームリダクション)プログラムを考慮すべきである。しかし,最終的には断酒を目指すよう勧めるべきである」2)と,最良の方法としての断酒の重要性とともに,重症者の節酒の必要性も併記されている。
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