特集 Special Article:
アルコール依存症と性差 2.アルコール性臓器障害の性差
池嶋 健一
1
1順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教授
キーワード:
アルコール性肝炎
,
エストロゲン
,
自然免疫
,
エンドトキシン
,
Kupffer細胞
Keyword:
アルコール性肝炎
,
エストロゲン
,
自然免疫
,
エンドトキシン
,
Kupffer細胞
pp.13-17
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.09.01_0013-0017
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女性の飲酒は全体としては男性より少ないが,特に若年者で増加傾向が顕著である。女性は男性よりアルコールによる健康被害を受けやすく,アルコール関連肝疾患(alcohol-related/-associated liver disease:ALD)の進行・増悪が女性では男性より少量・短期間の飲酒でも惹起されることが,多くの疫学調査から明らかになっている。臓器障害に性差が生じるメカニズムとしては,アルコール代謝の特性に加えて,自然免疫系応答の違いなどが示唆されている。またその他,女性の過剰飲酒に伴ってみられる問題として,性腺機能異常や骨粗鬆症の悪化,乳がんリスクの増大などが挙げられる。アルコールの適正摂取を考える上でも,男女の身体的特性に十分配慮した社会的取り組みが重要である。「KEY WORDS」アルコール性肝炎,エストロゲン,自然免疫,エンドトキシン,Kupffer細胞
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