特集 Special Article:
アルコール依存症と性差 1.アルコール依存症の性差
岩原 千絵
1
,
真栄里 仁
2
,
樋口 進
3
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター精神科医長
2独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター教育情報部長
3独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長
キーワード:
女性
,
性差
,
若年発症
,
重複障害
,
ボーダーラインシフト
Keyword:
女性
,
性差
,
若年発症
,
重複障害
,
ボーダーラインシフト
pp.8-12
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.09.01_0008-0012
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女性のアルコール依存症は増加傾向にある。久里浜医療センターでは現在から30年の間に女性新患数は約2倍となった。背景には女性の飲酒率の増加があると考えられる。女性のアルコール依存症には大きく分けて2つの特徴がある。まず1つは,男性より若くして発症することである。全国調査では入院患者のピークが男性は50歳代だったのに対し,女性は30歳代だった。もう1つは,男性に比べ重複障害が多いことである。摂食障害は頻度の高い重複障害であり,20歳代の女性アルコール患者では72%に認められた。女性の依存症には男性とは異なる背景があるため,個別のかかわりも重要とされる。集団療法を行う際にはボーダーラインシフトが効果的と考える。「KEY WORDS」女性,性差,若年発症,重複障害,ボーダーラインシフト
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