特集 Special Article:
アルコール依存症と重複性障害 5.アルコール依存症と統合失調症
石黒 浩毅
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部精神神経医学・臨床倫理学講座講師
pp.41-46
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.01_0041-0046
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「Summary」統合失調症患者がアルコール乱用を引き起こす主なメカニズムはself-healingであり、重度のアルコール依存症が合併することは多くはない。しかし、アルコール依存症と統合失調症との重複性障害患者は、互いの精神・身体症状および社会的障害のために症状は増悪・複雑化し、そのリカバリーに向けた治療が困難となる。両疾患には非定型抗精神病薬の効果が期待できることが近年の研究知見として明らかとなってきたが、未だ標準化された薬物療法はない。そこで薬物療法とともに、精神科医、臨床心理士、看護師、保健師やケースワーカー、ソーシャルワーカーなどの多職種チームによって、個々の患者の精神症状と認知機能および治療意欲に合わせた包括的サービスを継続的に行っていくことが重要となる。「Key Words」self-healing,認知・社会機能障害,遺伝要因,包括的サービス,非定型抗精神病薬
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