特集 Special Article:
アルコール依存症と重複性障害 4.アルコール依存症と不安障害
小林 桜児
1
1神奈川県立精神医療センター医長
pp.36-40
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.01_0036-0040
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「Summary」アルコール依存症と不安障害は併存率が高く、互いに双方の発症リスクを高める。不安障害先行例では、アルコールが不安を軽減させる目的で使用されることが多い。逆にアルコール依存症が先行する場合、急性中毒や離脱症状のなかで不安が生じる場合と、長期飲酒に伴って耐性形成と離脱症状がくり返され、かえって不安が惹起される場合と、潜在的な不安症状が長期飲酒によって顕在化する場合がありうる。不安障害先行例では、生育歴を含めた詳細な病歴聴取によって、飲酒に至るまでの心理的背景を把握することが、治療関係構築上、有用である。薬物療法としては、極力ベンゾジアゼピン系の長期投与は回避することが望ましい。「Key Words」アルコール依存症,不安障害,抗不安薬
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