特集 Special Article:
アルコール依存症と重複性障害 2.アルコール使用障害と発達障害
宋 龍平
1
1地方独立行政法人岡山県精神科医療センター
pp.25-30
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.01_0025-0030
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「Summary」成人における発達障害の重要性が近年、強調されてきている。アルコール使用障害患者に発達障害の併存がある場合、その特性ゆえに治療環境が混乱に陥ってしまうように感じる治療者も多いのではないだろうか。しかし、アルコール使用障害患者における発達障害の併存は特別なものではない。発達障害に対する治療、支援の枠組みは「①パートナーや家族・職場の人間関係、②日々の生活への工夫、③薬物療法の3つが最重要」とされており、アルコール使用障害の診療現場には馴染みやすいものである。発達障害はアルコール使用障害の診療現場に新たに現れた厄介ごとではない。むしろ、これまでにしばしば語られてきたアルコール使用障害患者の「生きづらさ」を捉え直すために発達障害特性という視点は役立つのではないだろうか。「Key Words」アルコール使用障害,自閉症スペクトラム障害,注意欠如・多動性障害,生きづらさ
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