原著
コロナウイルス感染症2019パンデミック前後でのRSウイルス感染症入院症例の比較検討
石川 暢恒
1
,
古森 遼太
1,3
,
鈴木 伸
2
,
出雲 大幹
1
,
壷井 史奈
1
,
郷田 聡
2
,
神野 和彦
1
1県立広島病院小児科
2同・小児腎臓科
3広島大学病院小児科
キーワード:
RSウイルス
,
コロナウイルス感染症2019
,
パンデミック
,
影響
,
臨床パラメータ
Keyword:
RSウイルス
,
コロナウイルス感染症2019
,
パンデミック
,
影響
,
臨床パラメータ
pp.1243-1247
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001807
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要旨
コロナウイルス感染症2019(COVID-19)パンデミックがrespiratory syncytial virus(RSV)感染症小児例に影響を与えた可能性について,入院症例を対象に後方視的に検討した.Pre-群(パンデミック前)とPost-群(パンデミック後)の比較において,ステロイド薬使用例がPost-群で有意に多く,入院後発熱日数はPost-群で有意に少なかった.しかし,Post-群内における検討では,ステロイド薬使用例のほうが入院後発熱日数が長い,という結果であり,ステロイド薬の発熱期間短縮への効果は示されなかった.COVID-19パンデミックは,RSV感染症入院症例に対して入院期間の延長やICU入室例の増加など負の影響はもたらさなかったと考えられた一方で,Post-群での入院後発熱期間の短縮の原因は明らかではなく,今後の多数例および長期間の追跡が望まれる.

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