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TTTSに対する胎児鏡下レーザー治療─今後の展開─ 胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術の歴史と今後の展開
村越 毅
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1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センターセンター長/産婦人科部長
pp.25-31
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.09.01_0025-0031
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一絨毛膜性双胎は,一絨毛膜二羊膜(monochorionic diamniotic;MD)双胎と一絨毛膜一羊膜(monochorionic monoamniotic;MM)双胎に分類される。いずれも,共通胎盤における吻合血管が存在することで二絨毛膜二羊膜(dichorionic diamniotic;DD)双胎にはない特徴的な合併症が存在し,その代表が双胎間輸血症候群(twin to twin transfusion syndrome;TTTS)である。一絨毛膜性双胎の胎盤吻合血管を通じて双胎間の血流不均衡が生じ,病的状態となったものがTTTSである。血液を送り出す方の胎児がdonor(供血児)であり,もらう方の胎児がrecipient(受血児)である。供血児は慢性的な容量不全により,貧血,循環不全,低血圧,尿量減少(乏尿),羊水過少,胎児発育不全,腎不全を主症状とする。一方,受血児では逆に慢性的な容量負荷により,多血,循環負荷,高血圧,尿量増加(多尿),羊水過多,心不全,胎児水腫を主症状とする。「key words」一絨毛膜性双胎,双胎間輸血症候群,胎児治療,胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術
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