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新生児へのカテーテル治療 ―先天性心疾患の生命予後改善に期待が高まる―
上田 秀明
1
1神奈川県立こども医療センター循環器内科部長
pp.16-21
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.08.02_0016-0021
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「はじめに」神奈川県立こども医療センターはこども専門病院のほかに,肢体不自由児施設および重症心身障害児施設を併設した小児総合医療・福祉施設として1970年に設置された。現在は,病院,母子保健局,障害児入所施設,臨床研究所,神奈川県立横浜南養護学校で構成され,小児期・周産期の専門医療・三次救急医療,障害児医療,医療を担う専門的な人材育成,先進的な医学研究,小・中・高校教育などを運営する,国内には他に類のない子どものための多機能複合型総合施設となっている。病院診療としては,紹介予約制を原則とし,心臓病,小児がん,先天異常,遺伝性疾患,神経疾患,各種外科手術などの専門診療を行っている。救急医療も積極的に取り組み,集中治療室での治療が必要な重症小児患者の受け入れや総合周産期医療センターの役割である超低出生体重児などの新生児医療と産科救急の担い手として,県内の病院,救急救命センターからの依頼にも24時間365日いつでも応じられる体制で業務を行っている。この中で心疾患治療チームの一端を担う循環器内科は,心臓血管外科とともに,同センターの設立から診療を開始し,40数年の歴史をもつわが国では最も歴史のあるチームの1つである。本稿では,そのような循環器内科の概要や特徴を紹介したうえで,上田先生がこれまでに力を注いできた新生児に対するカテーテル治療に焦点をあて,その経緯や現状,今後を展望する。
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