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『内分泌』の研究に尽力し,新生児の生命予後改善に貢献
楠田 聡
1
1杏林大学医学部小児科客員教授
pp.18-24
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.01_0018-0024
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かつて,産科医療と新生児科医療は別の医療と考えられており,全く別の観点で運営されていた。しかし,母子の予後を改善するためには,両者を連続的な医療として扱う周産期医療の概念が求められるようになってきた。1984年10月1日,大学病院としてはわが国で初となる母子総合医療センターとして開院したのが,東京女子医科大学母子総合医療センターである。開院と同時に,新生児集中治療室(NICU)9床を含む20床の新生児部門が誕生した。1996年には,全国に周産期医療施設を整備する目的で厚生省(現 厚生労働省)から出された「周産期医療体制整備指針」に則り,同センターは日本で最初の総合周産期母子医療センターに認定され,同時に母体胎児集中治療室(MFICU)9床が新設された。その後,同センターは2005年にNICUを12床,回復期病床(GCU)を24床に,さらに2009年にはNICUを15床へと増床し,わが国有数の大規模周産期医療センターとなった。現在,同センターは東京都の中核周産期医療施設として,都内のみならず都外からも多くのハイリスク妊婦,あるいは新生児が搬送されている。本稿では,胎児・新生児の生命維持に不可欠で新生児を治療するうえで重要となることから,楠田先生が長年にわたって研究を続けてこられた「内分泌」に焦点を当て,これまでに得られた研究成果を概説し,今後を展望する。
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