目で見る胎児・新生児の病態 Visualized Fetal & Neonatal Disease
先天性心疾患の発生 ②心臓の発生,遺伝子の構造と異常
住友 直方
1
1埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科教授
pp.3-4
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.03_0003-0004
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「総括コメント」心臓の発生の2回目として,心内膜床および円錐動脈幹中隔の形成,房室弁,半月弁の形成,心臓流入路の形成,流出路の形成とその異常について図説をお願いした。これらの異常により,筋性三尖弁閉鎖,完全型房室中隔欠損,総動脈幹遺残症,Fallot四徴症,完全大血管転位症,両大血管右室起始症など,代表的な先天性心疾患が発生する。先天性心疾患はその発生に染色体異常,先天性心疾患の発生に関与する遺伝子,クロマチン制御タンパク異常,環境要因など多くの因子が関与するが,これを図説した。先天性心疾患の発生を考えるうえでの参考にしていただきたい。「心臓流入路と流出路の形成」収縮を開始し右方へルーピングした原始心臓管の内部では,流入路と流出路にあたる部分に,将来の房室弁と半月弁の原基となる心内膜床および円錐動脈幹中隔が形成されるようになる(胎生25~28日,左上図)。
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