特集 現代医学・生物学の仮説・学説
7.疾病
先天性遺伝子疾患
田中 亀代次
1
1大阪大学細胞生体工学センター細胞構造機能研究部門
pp.616-617
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900667
- 有料閲覧
- 文献概要
概説
McKusickの著書,Mendelian Inheritance in Man(第9版)には4937の遺伝疾患が記載されている。初版では1487種であり,1966年から1990年の24年間に遺伝疾患の研究がいかに進展したかを示唆している。さらに,このような明確な遺伝様式により発症する遺伝疾患以外にも,病気の発症には多かれ少なかれ遺伝的要因が関与していることは広く認められており,疾患の遺伝学的解析の重要性が示唆される。
遺伝疾患の解明,診断,治療には,疾患の原因遺伝子の単離が不可欠である。最近の遺伝子工学技術の進展により,主要な遺伝疾患の原因遺伝子が次々と単離されている。疾患遺伝子がクローニングされることで,患者のみならず保因者の診断も確実,容易になり,発症の予防につながる道が開けつつある。また,疾患の分子病理の解明も進んでいる。
Copyright © 1993, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.