特集 知って得する胎児・新生児の心疾患2024
基礎編
先天性心疾患と染色体・遺伝子異常
前田 潤
1
MAEDA Jun
1
1東京都立小児総合医療センター循環器科
pp.913-918
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001633
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
先天性心疾患は出生1,000人につき,約10人(約1%)の頻度で発生する。日本小児循環器学会で行われた2022年の全国調査では,出生数777,047人に対して,先天性心疾患は9,298人で,発生率は1.21%であった1)。先天性心疾患の60%は多因子遺伝であり,複数の遺伝子や環境要因が関与して発生するが,他の要因として,遺伝子コピー数異常が15%,染色体異常が13%,単一遺伝子異常が12%と報告されている2)。表に先天性心疾患を合併する頻度が高い染色体異常,遺伝子異常を示した。以下に胎児,新生児期に遭遇することが多い主要な染色体異常を取り上げ,最近の知見を交えて述べた。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.