内科医が知っておきたい小児科学・最近の話題・7
先天性心疾患と遺伝子
賀藤 均
1
1東京大学医学部小児科
pp.1437-1440
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904615
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最近のめざましい分子遺伝学の発達にも関わらず,遺伝子レベルの先天性心疾患の原因解明は依然として路半ばである.その理由として,以下のことがあげられる.
先天性心疾患のほとんどは散発性で,その8%は染色体異常か単一遺伝子異常によるものであるが,90%以上はいくつかの座位に存在する対立遺伝子や環境因子など多要因の重合が原因と考えられること1),ノックアウトマウスが強力な方法として開発されたが,動物モデル作成がいまだに困難であることである.
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