目で見る胎児・新生児の病態 Visualized Fetal & Neonatal Disease
先天性心疾患の発生 ①心臓発生と先天性心疾患,左右軸の決定と心房内臓錯位症候群
住友 直方
1
1埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科教授
pp.5-6
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.02_0005-0006
- 有料閲覧
- 文献概要
「総括コメント」心臓の発生は複雑な経過を経て出生時の心臓形態をとる。左右軸の決定,心ループの形成,房室管の移動,心内膜床と房室弁の形成,円錐部の移動と中隔形成,心房心室中隔の形成が主なものである。これらの発生過程が障害されることにより先天性心疾患が発生する。胎生早期に発生が障害されるほど,より重篤で複雑な先天性心疾患が発生する。これらの発生過程を理解することで,先天性心疾患の解剖がより理解しやすくなると考えられる。「心臓発生学から理解する先天性心疾患」すべての先天性心疾患は,胎生期の心臓発生の過程が遺伝的もしくは環境的な要因により障害され,停止するもしくは逸脱することにより発症する。先天性心疾患の診断と治療を行ううえでは,心臓の発生学の理解は重要である。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.