巻頭座談会 Round Table Discussion
先天性風疹症候群と心疾患
佐地 勉
1
,
多屋 馨子
2
,
宮入 烈
3
,
増谷 聡
4
1東邦大学医学部名誉教授・同 心血管病研究先端統合講座教授
2国立感染症研究所感染症疫学センター第三室室長
3国立成育医療研究センター生体防御系内科部感染症科医長
4埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科准教授
pp.8-16
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.01_0008-0016
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国では,2012年~2013年にかけて風疹の大流行をみた。2013年の1年間に風疹に罹患し報告された患者は14,357人であり,このうち9割が成人で,男性が10,985人,女性が3,372人と男性が女性の約3倍であった。この大流行の際,1993年に起こった「ギリシャの悲劇」と同様に,先天性風疹症候群(CRS)児が多数生まれた。CRS患者は,眼,耳,心臓などの臓器をはじめ全身に多彩な合併症を有し,障害が慢性化したり,あるいは重症化したりと,その予後は決して良くない。本座談会ではCRSの心疾患に焦点を当て,予防接種の制度や啓発を含め,風疹の発症を減らし,またCRSの予防と予後改善を目指すために必要なこととは何かを討論していただいた。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.