総説
緑内障治療とドライアイ
三木 篤也
1
1大阪大学眼科学教室脳神経感覚器外科学(眼科学)講座寄附講座 准教授
pp.8-11
発行日 2020年11月5日
Published Date 2020/11/5
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.15.02_0008-0011
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緑内障は慢性進行性疾患であるため,緑内障患者は長期にわたって治療を継続しなければならない。特に,緑内障の主要病型である原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma:POAG)および正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)においては,点眼が治療の第一選択になっており,長期間,複数の点眼を必要とすることも少なくない。このような疾患の性質上,緑内障患者においてはドライアイをはじめとする眼表面の異常を合併することが多い。また,緑内障治療が眼表面疾患に影響し,眼表面疾患が緑内障治療に影響するという相互作用も有している。そのため,眼表面疾患専門医は緑内障について,緑内障専門医は眼表面疾患について常に意識し,知識をもつことが非常に重要である。緑内障患者に生じる眼表面異常は,ドライアイをはじめとして点眼毒性による角膜上皮欠損,アレルギー性結膜炎,眼瞼異常から偽眼類天疱瘡に至るまで多彩であり,かつ複数の病態が混在することも多い。本稿では,緑内障に伴う角膜障害について,その病態と治療をまとめたいと思う。
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