座談会(Dry Eye Discussion)
白内障周術期ドライアイ
大橋 裕一
1
,
三宅 謙作
2
,
横井 則彦
3
,
井上 康
4
1愛媛大学学長
2眼科三宅病院理事長
3京都府立医科大学眼科学教室 病院教授
4井上眼科院長
pp.10-17
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.11.01_0010-0017
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「白内障周術期患者の特徴」「1.白内障術前後のドライアイ発症率」大橋:近年,手技的に完成の域に到達していると言われる白内障手術ですが,その一方で,多様なリスクファクターが眼表面の健常性に影響を及ぼすことが指摘されています。そのため,いかにして術後のQuality of Vision (QOV)を向上させるかが大きな課題となっており,最近ではとくに,術中から術後にわたる眼表面のマネージメントが焦点となっています。そこで本日は,白内障サージャンのお立場から三宅先生と井上先生を,ドライアイ専門家のお立場から横井先生をお招きして,「白内障周術期ドライアイ」をテーマとする座談会を企画いたしました。まず初めに,白内障周術期のドライアイ発症率をご紹介しましょう。ある研究によりますと,白内障術後1週目の時点で,156例中35例(22.4%)がドライアイに該当し,確定例15例(9.6%), 疑い例20例(12.8%)であったとのことです。こうしたデータを背景に,術後ドライアイについてまずは三宅先生,井上先生のご経験をお伺いしたいと思います。
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