連載 ブレイクアップパターンを識る!
第1回 Overview ブレイクアップパターンの診方・パターンの紹介 各論1 涙液減少型ドライアイで見られるブレイクアップパターン
横井 則彦
1
1京都府立医科大学眼科学教室 病院教授
pp.45-50
発行日 2019年4月29日
Published Date 2019/4/29
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.14.01_0045-0050
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健常眼と区別でき,しかも,可視化しうるドライアイの核となる他覚所見は,涙液層の安定性の低下,言い換えれば,涙液層の容易な破壊であり,フルオレセインを用いて,フルオレセインブレイクアップとして観察できる。フルオレセインブレイクアップには,メカニズムの異なる5つのブレイクアップパターン(BUP)が存在し1-3),開瞼を契機とする角膜上のフルオレセインの動きとBUPに基づいて,ドライアイ診療に役立つ多くの情報を得ることができる。近年,眼表面に不足成分を補うことで涙液層の破壊を防いでドライアイを治療する眼表面の層別治療(tear film oriented therapy:TFOT)の考え方が誕生したが,フルオレセインの動きとBUPを観察することで,TFOTのための眼表面の層別診断(tear film oriented diagnosis:TFOD)を行うことができ,TFODを通じて,①眼表面の不足成分の看破,②ドライアイのサブタイプ分類,③眼局所治療(TFOT)の選択が可能となる2,3)。本コーナーでは,TFODの核となるBUP分類を紹介する。BUP分類にチャレンジすることで,ドライアイの理解が深まり,ドライアイの日常診療のレベルアップにつながることを期待している。
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