眼でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第20回 マイクロフック線維柱帯切開術眼内法術後のゴニオスコープGS-1®により観察された隅角所見と眼圧の検討
宮﨑 稚子
1
,
藤原 雅史
2
1神戸市立神戸アイセンター病院
2神戸市立神戸アイセンター病院 診療科長
pp.1-6
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.65_0001-0006
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
線維柱帯切開術は,線維柱帯切除術に比べ効果は限定的であるものの安全性に優れ,特に主に線維柱帯にその房水流出障害の主座があるとされる落屑緑内障,ステロイド緑内障や発達緑内障などを中心に高い効果が報告されてきた.近年,多様なデバイスなどが開発され,低侵襲緑内障手術(minimally invasive glaucoma surgery:MIGS)が盛んになってきた.そのなかでも谷戸氏 ab interno トラベクロトミーマイクロフックを用いた線維柱帯切開術眼内法[microhook ab interno trabeculotomy(μLOT)]は,本邦で実施されることが多くなっている.一方,μLOT術後には線維柱帯の切開象限を中心に周辺部虹彩前癒着(peripheral anterior synechia:PAS)が高頻度で形成されることが報告されている.ゴニオスコープ GS-1®(株式会社ニデック)(以下,GS-1)は360度の隅角写真が一度の撮像で得られるため,PASの経時的な形成が簡便かつ客観的に検出可能である.PAS形成は炎症反応が伴うことが知られている1).ぶどう膜炎に伴う続発緑内障はμLOTの術後にはPAS形成の頻度の上昇の可能性が考えられるが,その眼圧に与える影響は知られていない.今回当院にてμLOT術後のGS-1による隅角所見と眼圧の検討を行ったので紹介する.
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.