眼でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第18回 OCT angiographyで緑内障の何がわかる?(前眼部編)
岡本 洋子
1
,
赤木 忠道
2
1京都大学大学院医学研究科眼科学教室
2新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野 准教授
pp.1-7
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.63_0001-0007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
緑内障手術には濾過手術と流出路再建術があり,近年より簡便で安全性の高いMIGS(minimally invasive glaucoma surgery)が広く普及している1)2).わが国では特に流出路再建系のMIGSが主流であるが,これは房水流出抵抗の主座である線維柱帯を切開・切除することで眼圧を下降させることを目的とする.しかし,上強膜静脈圧などのシュレム管以降に存在する房水流出抵抗が高いような一部の症例では十分な眼圧下降効果が得られないことが考えられ3)-6),シュレム管以降の房水流出機能の評価の重要性が高まっている.そのような状況のなかで,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)が実臨床に用いられるようになって20年以上経過した現在,比較的新しい技術である前眼部光干渉断層血管撮影(OCT angiography:OCTA)を用いた深層(強膜内)画像で,房水流出路の一部を可視化できる可能性が報告され,注目されている7).本稿では,前眼部OCTAを用いて緑内障の何がわかるようになってきているのかについて既報の情報を整理しつつ,主に房水主流出路に関連すると考えられる前眼部OCTA深層(強膜内)画像とMIGSの手術成績の関係を検討した我々の研究について紹介する.
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.