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特集 これからの眼底血管評価法
OCT angiography
OCT angiography
野崎 実穂
1
Miho Nozaki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学
pp.1752-1762
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211647
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はじめに
OCT angiographyは,造影剤を用いずに網脈絡膜循環を描出する新しいテクノロジーである。OCT angiographyの原理は,血流の動きを抽出して網脈絡膜循環画像を構築するもので,非侵襲的に網脈絡膜循環を検査できるため,注目されている。一方で,OCT angiographyでは,従来の眼底造影で検出されていた“漏出”“貯留”“組織染”といった所見を捉えることができず,眼底造影では解析される“造影早期”“造影後期”といった画像も得られない。また,現在のところは,われわれが使用できるOCT angiographyの画角は6mm×6mmが解析可能な最大の画角であるため,従来の造影検査に完全に置き換わることはないが,黄斑部や視神経乳頭の経時的経過観察には十分といえる。さらには,従来のフルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)やインドシアニングリーン眼底造影(indocyanine green angiography:IA)では,病変の描出は二次元に限られるが,OCT angiographyでは三次元の層別の詳細な解析が可能なため,今後,病態の解明などにも有用と期待されている。本稿では,わが国で承認されているRTVue XR AvantiTM OCT(Optovue社)を中心に解説する。
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