綜説
緑内障診療におけるOCT angiographyの現状
高橋 直樹
1
,
中澤 徹
1
1東北大学大学院医学系研究科 眼科学分野
キーワード:
OCTA
,
MvD
,
FAZ
,
RPC
,
血管密度
,
開放隅角緑内障
Keyword:
OCTA
,
MvD
,
FAZ
,
RPC
,
血管密度
,
開放隅角緑内障
pp.1611-1617
発行日 2024年12月5日
Published Date 2024/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003979
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光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography:OCTA)は近年開発された手法で,非侵襲的に網膜の毛細血管を撮影する方法である。従来はフルオレセインを用いた蛍光眼底造影検査(fluorescein angiography:FA)以外に描出することが困難であった毛細血管を捉えることができるようになった。FAは実際に流れる血流の評価が可能であるが,造影剤を用いることによるアナフィラキシーをはじめとした各種の副作用が懸念されるため,緑内障患者全例を対象に撮影することは困難であった。一方で近年の血流研究では,緑内障においても視神経乳頭血流の低下が,進行に関わることを示唆する報告が多数なされている1)~3)。すなわち,多因子疾患である緑内障を評価するにあたって,血流の評価は,今後ますます重要になってくると考えられる。そのようななかで,OCTAはFAと異なり非侵襲的に視神経乳頭や黄斑をはじめとした各部位の毛細血管を評価できる有用な装置であり,緑内障においてもOCTAを活用した報告が近年多数なされている。OCTAを用いた評価としては,主に血管密度(vessel density:VD)の定量的評価や,乳頭周囲の毛細血管脱落(microvasculature dropout:MvD)所見などの評価が報告されている。本稿では,緑内障診療におけるOCTA利用の現状についてサマライズしたい。
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