これからの緑内障診療のために「緑内障と近視」
第Ⅳ章 管理法 ②近視眼の緑内障手術
福地 健郎
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野教授
pp.59-62
発行日 2016年8月31日
Published Date 2016/8/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.52_0059-0062
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近視は広義・原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma:POAG)の発症にかかわる代表的な危険因子の1つである.強度近視眼ではPOAG の発症が早く,POAGに関する統計をとると,同程度の視野障害症例を軽度近視群と強度近視群に分けた場合には,必ず強度近視群のほうが平均年齢が若い.同様に,同年齢であった場合,強度近視群の視野障害の程度は軽度近視群に対して確実に悪い.視野の乳頭中心窩領域が早期から障害される症例は,強度近視眼の頻度が高いことはよく知られている.強度近視を伴う緑内障の症例では,より若い時期から積極的に緑内障治療しなければいけない条件を伴っていることが多く,結果的に多くの症例が手術的治療の対象となっている.濾過手術に際して,以下に述べるような強度近視眼に特有な合併症があり,適応や術式の選択,またどのような時期に緑内障手術が行われるべきか議論の必要がある.
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