これからの緑内障診療のために「緑内障と近視」
第Ⅲ章 OCT所見 近視緑内障眼の視神経OCT所見
赤木 忠道
1
1京都大学大学院医学研究科眼科学講師
pp.62-65
発行日 2016年3月31日
Published Date 2016/3/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.51_0062-0065
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「はじめに」視神経乳頭の形状は個人差が大きく,特に近視に伴う眼球形状の変化は視神経乳頭に多彩な変形をもたらす.近視緑内障眼の視神経乳頭での診断はしばしば難しく光干渉断層計(OCT)を併用した診断が有用であるが,網膜神経線維の走行や厚みは近視性変化に伴って変化する.ここでは近視緑内障眼におけるOCTでみた近視性変化に伴う特徴的な所見について触れてみたい.「近視眼の視神経乳頭は変形している」近視に伴う眼球形状の変化は視神経乳頭に多彩な変形をもたらし,極小あるいは巨大な視神経乳頭,視神経乳頭の傾斜あるいは回旋,全体的な蒼白化や浅い乳頭陥凹,広範囲の乳頭周囲網脈絡膜萎縮(peripapillary atrophy:PPA)など,さまざまなパターンを呈する(図1).近視眼,特に強度近視眼において,眼底写真による乳頭陥凹やrimのみで緑内障診断を行うことはしばしば困難である.
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