目でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第7回 OCT所見による緑内障と神経眼科疾患の違い
中村 誠
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野教授
pp.1-9
発行日 2016年8月31日
Published Date 2016/8/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.52_0001-0009
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光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)は非侵襲的に眼内組織の断層像を描出する技術であり,前眼部ならびに後眼部のさまざまな疾患における病態解明や治療効果判定になくてはならないツールとなっている.視神経乳頭周囲網膜神経線維層(circumpapillary retinal nerve fiber layer:cpRNFL)厚,黄斑部網膜内層厚ならびに視神経乳頭近傍構造(篩状板厚,篩状板の傾斜,乳頭軸の傾斜角,視神経乳頭ピット,傍乳頭網膜脈絡膜萎縮など)解析は,緑内障性視神経症の構造障害を他覚的,定量的に評価できる指標であり,その診断と進行評価に広く用いられる.一方で,さまざまな非緑内障性視神経症において,これらのパラメーターが疾患特異的あるいは非特異的な変化を示す.非緑内障性視神経症におけるOCT指標の表れを知ることは,緑内障との鑑別の一助になるだけでなく,個々の病態の解明にもつながる.本稿では緑内障以外の視神経症におけるOCTの変化を解説することとする.
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