これからの緑内障診療のために「緑内障と近視」
第1章 はじめに ①緑内障と近視の微妙な関係:現在の論点
山本 哲也
1
1岐阜大学大学院医学系研究科眼科学分野教授
pp.58-59
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.49_0058-0059
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「はじめに」今回から4回シリーズで,緑内障と近視に関するいくつかの論点を呈示し,専門家に論じていただくことにした.本稿はその序として緑内障と近視の関連を総論的に記述する.緑内障と近視に関しては古くから,近視眼における緑内障診断の困難さや近視眼と非近視眼における緑内障性視野異常の出現パターンの相違などにより一定の関心を呼んできた.それが今日新しい視点からさらに注目を浴びる状況になっている.今日我々の目のあたりにする緑内障と近視の関連についての主な論点は“近視眼における緑内障性視神経症の表現型とそれを踏まえた臨床的対応のあり方”とでもまとめられる従来よりも明確でかつ根源的な命題である.これは現代テクノロジーの進歩,特にSD-OCT, SS-OCTの登場による必然的な動きであり,その場に居合わせている我々はその分だけ幸福であると感じる.
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