連載 糖尿病advanced care―合併症を持つ人へのアプローチ④
糖尿病と脳梗塞の微妙な関係―「糖尿病ってわからない」!?
小田 和美
1
,
下村 裕子
2
,
患者教育研究会
1岐阜県立看護大学
2日本赤十字看護大学
pp.383-388
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100070
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ねらい
脳梗塞は糖尿病をもつ人に高頻度で発症し,運動機能障害や認知障害などの後遺症が残る危険性の高い合併症です.糖尿病を合併している脳梗塞は繰り返す傾向があるため,看護の目標としては,できるだけ糖尿病やその他の危険因子をコントロールすることによって,脳梗塞の再発を防ぎ,生活の質を保つことを掲げます(→Lecture).
しかし,実際は突然起こった機能障害に一喜一憂して,なかなか脳梗塞の背景にある糖尿病の療養方法の見直しに向かえない状況が起こりやすいものです.
ここでは,看護師のもつ知識やそれに基づく一般的な予測と患者の言動とのズレをとっかかりとしてその背景を解釈し,確かめる行動を繰り返したことによって,看護師と患者との新たな関係が展開した事例を紹介します.
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