Summing Up
緑内障の薬物治療
澤田 明
1
1岐阜大学大学院医学系研究科眼科学 臨床准教授
pp.40-46
発行日 2019年8月30日
Published Date 2019/8/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.00.58_0040-0046
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近年多くの緑内障点眼薬が上市され,さまざまなコンビネーションで使用されるようになってきている(図1).しかしながら臨床現場で緑内障患者さんと接していると,さまざまな緑内障治療薬の臨床治験結果あるいは海外論文と比較して眼圧下降効果が乏しいと感じることはないだろうか? わが国における治験(phase 2と3)は,主に対象が高眼圧症あるいは(狭義)(primary open angle glaucoma:POAG)である.しかしながら多治見スタディで明らかにされたように,わが国では(広義)原発開放隅角緑内障の占める頻度が最も多く,さらにそのうち9/10は正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)が占める1).また,対象症例の眼圧は,右眼14.6±2.7mmHg(n=3,003),左眼14.6±2.7mmHg(n=3,000)と報告されている1).したがって,治験結果と実臨床での実感の乖離が生じるのは当然のことである.本稿では,NTGにおける眼圧下降効果をreviewする.
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