連載
脳におけるエストロゲンの見えざる作用 第35回 ―心身の性の不一致とは―
武谷 雄二
1
1東京大学名誉教授/医療法人社団レニア会アルテミスウイメンズホスピタル理事長
pp.75-83
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.29.04_0075-0083
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古典的な医学では性差を扱う学門領域は,内外性器の形態と機能,思春期以降の体型など可視化できる対象に限られていた。しかし最近の知見の集積により,性差は全身の諸臓器に及び,特に脳にも性差があることが次第に明らかとなった1)。具体的には精神活動,心理,行動などは性差を考慮しないと理解し難い現象が多数ある。また前号で紹介したように,不安関連疾患,統合失調症などの臨床像には明らかな性差がある。
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