連載
グラビア・目で見るホルモンと生殖医学の最前線 ―プロラクチンと生殖医療の最前線―
碓井 宏和
1
1千葉大学大学院医学研究院生殖医学講座准教授
pp.4-8
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.29.04_0004-0008
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プロラクチン(prolactin;PRL)は,乳汁分泌ホルモンである。ヒトプロラクチンは227アミノ酸で構成されるポリペプチドで,下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞(ラクトトロフ;lactotroph)で産生される。プロラクチンの作用には,乳腺の発達,乳汁分泌,月経周期の調節以外にも,免疫機能制御,ストレス応答,母性行動など多彩な作用が知られている1)。高プロラクチン血症は月経不順の原因となるため,不妊症・月経不順のスクリーニング必須検査である。われわれの報告した産後乳汁分泌欠如と高プロラクチン血症を示したプロラクチン受容体(PRL受容体)機能喪失型変異例を中心に,マウスやin vivoでの研究成果を含めてプロラクチンの機能について述べる。
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