特集 女性の生活習慣病―新たな展開―
特集にあたって
西郡 秀和
1
1福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター発達環境医学分野教授
pp.12-12
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.28.01_0012-0012
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- 文献概要
本号の特集は2020年7月9日にご逝去されました水沼英樹先生が生前に企画されました。水沼先生は,私にとって出身大学・部活の先輩であり産婦人科医としての恩師でもありました。本特集を企画されていた当時は,福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センターの初代センター長を務められており,公私ともに大変お世話になっていました。そのようなご縁もあり,編集委員の先生方のご厚意で,僭越ながら水沼先生の代理で「特集にあたって」を書かせていただくことになりました。水沼先生は,「女性医学は女性のすべてのライフステージにおけるquality of life(QOL)の維持・向上のために,女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱うことを目的とする産科婦人科学の専門領域の1つである」と述べられました。女性の生活習慣病も大事なテーマとなります。一般的に,あらゆる病気は生活習慣の影響下にあると言っても過言ではありません。したがって,長期的な視野にたって,生活習慣病が発症する前から個別的にリスクを評価して予防対策を立てることが大切です。そのためには,海外の知見を参考にしつつ,わが国独自のエビデンス作りが必要です。わが国では,女性の健康におけるライフコースの疫学研究として,日本ナースヘルス研究(Japan Nurses’ Health Study;JNHS)が2001年に開始されており,さまざまな知見が得られてきました。
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