特集 ニューロステロイド
ニューロステロイドの作用機序―プロゲステロン受容体膜成分1型(PGRMC1)の構造と機能―
末松 誠
1
1慶應義塾大学医学部医化学教室 客員教授
キーワード:
heme stacking
,
carbon monoxide
,
EGFR
,
cytochrome P450
,
癌
,
認知症
Keyword:
heme stacking
,
carbon monoxide
,
EGFR
,
cytochrome P450
,
癌
,
認知症
pp.21-29
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.24.02_0021-0029
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Progesterone receptor membrane component type-1(PGRMC1)は脳に高発現する機能未知のヘム蛋白質であった。近年われわれはその結晶構造解析を高分解能で行い,PGRMC1はヘムが結合するとヘム同士のスタッキングによって2量体を形成し,ステロイド合成や薬物代謝に関わるcytochromeP450や細胞増殖に関わる上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor;EGFR)と結合することによって多彩な細胞機能制御を行うことを見出した。また生理的レベルのCO はヘムのスタッキングを抑制するため,2量体の解離をもたらし,機能抑制を惹起する。癌増殖の制御,認知症モデルにおける役割などPGRMC1の機能について最近の知見を概説する。「KEY WORDS」heme stacking,carbon monoxide,EGFR,cytochrome P450,癌,認知症
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