特集 選択的性ステロイドホルモン受容体修飾薬
選択的エストロゲン受容体修飾薬と乳癌
坂東 裕子
1
1筑波大学医学医療系乳腺内分泌外科学准教授
pp.49-55
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.23.01_0049-0055
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「Summary」乳癌には生物学的特性を踏まえ,いくつかのサブタイプがある。病理学的に腫瘍細胞の核にエストロゲン受容体and/orプロゲステロン受容体の発現を認める乳癌をホルモン受容体陽性乳癌といい,サブタイプとしてはluminal A,luminal B,luminal(HER2陽性)タイプに分類される。ホルモン受容体陽性乳癌ではエストロゲン受容体のシグナル伝達阻害を目的として内分泌治療が行われる。閉経前もしくは閉経後ではエストロゲンの分泌メカニズムが異なるため,使用する薬剤が異なる。閉経前では選択的エストロゲン受容体修飾薬(selective estrogen receptor modulators;SERM)と性腺刺激ホルモン放出ホルモン(luteinizing hormone releasing hormone;LHRH)アゴニスト,閉経後ではSERM,選択的エストロゲン受容体機能抑制物質(selective estrogen receptor downregulators;SERD)およびアロマターゼ阻害薬の適応がある。「Key words」ホルモン受容体陽性乳癌,内分泌治療,SERM,SERD,アロマターゼ阻害薬,LHRHアゴニスト
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