特集 選択的性ステロイドホルモン受容体修飾薬
選択的エストロゲン受容体修飾薬の骨外作用 (3) 子宮内膜
髙松 潔
1
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科教授
pp.39-47
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.23.01_0039-0047
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「Summary」選択的エストロゲン受容体修飾薬(selective estrogen receptor modulators;SERM)は,乳癌や閉経後骨粗鬆症などに対する有用性をもつが,一方で子宮内膜に対しても影響を及ぼすことが知られている。それぞれの正確な機序はいまだ明らかにはなっていないが,タモキシフェン(tamoxifen;TAM)は子宮内膜異常を引き起こすことが知られており,子宮内膜癌についてはプラセボと比較して2~7.5倍のリスクになると報告されている。一方,ラロキシフェン(raloxifene;RLX)は子宮内膜に対しては少なくともニュートラルな作用を示し,バゼドキシフェン(bazedoxifene;BZA)は子宮内膜保護作用を有している。これらの薬剤の使用時には子宮内膜への作用も考慮しつつ使用することが必要であると考えられる。「Key words」タモキシフェン,ラロキシフェン,バゼドキシフェン,tissue selective estrogen complex(TSEC),子宮内膜増殖症,子宮内膜癌
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