特集 各がん種のoncology領域や薬物療法の進歩、この5年間で何がどう変わった?
特集にあたって
室 圭
1
1愛知県がんセンター薬物療法部 部長/副院長
pp.5-5
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.03_0005-0005
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この5年間、がん医療はゲノム解析と薬物療法の進歩を背景に、劇的な変化を遂げた。がん遺伝子パネル(comprehensive genomicprofiling:CGP)検査の保険診療化は、診療現場における個別化治療の実装を加速させ、各がん種で新たな治療選択肢が次々と確立された。非小細胞肺がんでは、進行期のみならず周術期にも免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)や分子標的薬が導入され、根治を目指す治療戦略が現実のものとなった。KRAS G12CやHER2変異など従来困難であった分子異常に対する薬剤承認も進んだ。乳がん領域では、HER2陽性からHER2-low、ultralowへの適応拡大、TROP2やAKTを標的とした抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)や分子標的薬が加わり、バイオマーカーを軸とした治療の細分化が加速している。
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