特集 リウマチ膠原病疾患Up To Date!—押さえておきたい最新の診断と治療
特集にあたって
岸本 暢將
1
1杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科学教室
pp.1378-1379
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229705
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一般内科を主とした内科系診療科の先生方が病院や診療所などで日々診療をされるなかで,さまざまなリウマチ膠原病疾患に遭遇することが多いと思われる.例えば,世界中の外来疫学研究のデータをみても,“関節痛”の主訴は一般内科・家庭医外来に来院する患者さんの主訴トップ3に入るとする報告が多く,鑑別診断や早期診断,および早期治療のためにもリウマチ膠原病疾患のcommon diseaseに精通することは必須と考える.
23年前(2001年),筆者はハワイ大学において,内科レジデントとして1カ月間リウマチ膠原病クリニックで研修を行った.その際,生物学的製剤の投与のため,2カ月ごとに日本からわざわざ渡米される多くの患者さんが,生物学的製剤の点滴投与により,目の前で改善していく姿を見てリウマチ専門医になる決意をした.幸いなことに,昨今ではドラッグラグも最小限になり,2003年より関節リウマチに生物学的製剤が導入されてから本邦でも20年以上が経過した.関節リウマチ以外の疾患でも難病と考えられている全身性エリテマトーデス,全身性強皮症にも生物学的製剤が承認され,多くの分子標的薬が登場している.効果と安全性のバランスのとれた薬剤の登場により,欧米ばかりでなく,本邦においてもリウマチ膠原病疾患の診療ガイドラインがアップデートされている.
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