連載 Medical Scope
今、注目すべきVPDsとワクチン接種の現状 麻疹・風疹ワクチン
森野 紗衣子
1
1国立感染症研究所感染症疫学センター(室長)
pp.66-70
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.01_0066-0070
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麻疹、風疹はともにワクチンで予防可能な疾患であり、世界で排除を目標としている。日本でも特定感染症予防指針を策定し、麻疹は2015年3月に排除状態にあることが認定された。しかしその後も輸入例を発端とした患者発生が反復している。近年は麻疹、風疹ともに成人が流行の中心となっている。流行時には特にワクチン接種前の1歳以下の児の麻疹罹患、先天性風疹症候群の発生をもたらし、次世代へ影響を及ぼしている。引き続きの感染対策が重要であり、2回の定期予防接種率を高く維持するとともに、過去に風疹の定期接種機会がなく感受性者の多い世代の男性を対象とした風疹第5期定期接種が2025年3月まで実施されており、制度活用が望まれる。

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