特集 免疫疾患治療を変える新たな治療標的
アレルギー疾患
中込 一之
1
1埼玉医科大学呼吸器内科/アレルギーセンター 教授
キーワード:
TSLP
,
IL-31
,
PDE4
,
AhR
Keyword:
TSLP
,
IL-31
,
PDE4
,
AhR
pp.25-30
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.01_0025-0030
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喘息に対する生物学的製剤は現在5剤あり、IgE、IL-5、IL-4/IL-13、TSLPが治療標的である。抗IgE抗体は、Ⅰ型アレルギーを広く抑制するが、アレルゲン非特異的な免疫反応も抑制する。IL-5は気道上皮細胞や気道平滑筋細胞、形質細胞などへの直接的な作用が示唆されている。IL-4はアレルゲン感作に関与し、抗IL-4受容体α鎖抗体によるアレルギーマーチ抑制効果が報告されている。TSLPは自然免疫および獲得免疫に作用し、抗TSLP抗体は広くアレルギー反応をさまざまな機序で抑制し得る。アトピー性皮膚炎における新たな治療標的として、IL-31、PDE(phosphodiesterase)4、アリル炭化水素受容体(AhR)が注目されている。抗IL-31受容体α鎖抗体は掻痒だけでなく喘息にも効果がある可能性がある。PDE4阻害薬には抗炎症作用と気管支拡張作用があり、AhRは調節性T細胞の分化を制御する。「KEY WORDS」TSLP,IL-31,PDE4,AhR

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