連載 CUTTING-EDGE MEDICAL INTRODUCTION
遠隔ICU(Tele-ICU)の現在と未来
元山 文菜
1
,
川名 由貴
2
,
高木 俊介
3
1株式会社医療デザインラボ 代表取締役、株式会社リビカル 代表取締役
2株式会社医療デザインラボ 代表研究員、横浜市立大学附属病院麻酔科 共同研究員
3横浜市立大学附属病院集中治療部 准教授
pp.46-47
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.03_0046-0047
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遠隔集中治療(intensive care unit:ICU)は遠隔医療の一つであり、集中治療に習熟した医療従事者が協力して重症患者に対して行う、ビデオ音声通話やコンピューターシステムなどを用いた集中治療における診療支援システムである。遠隔ICUは現場医療に代わるものではなく、医療資源の活用とプロセスの標準化を通じて現場医療を強化するよう設計されている1)。日本のICUが直面している深刻な課題の一つが、集中治療専門医の不足である。現在、日本全国のICUベッド数は約7,200床であるが、集中治療専門医は約2,300名しかおらず人材不足が常態化している2)。同様の課題を有する米国のICUでは、2020年に集中治療専門医の22%の供給不足が発生しており、2035年には35%の供給不足が予想されている3)。これに対し、米国では現在約18%のICUが遠隔ICUを取り入れている4)。
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