特別企画 膵・消化管神経内分泌腫瘍を巡る最近の話題~NEN診断と治療の新時代~
膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NEN)の診断の進歩
藤森 尚
1
,
村上 正俊
1
,
松本 一秀
1
,
寺松 克人
1
,
高松 悠
1
,
竹野 歩
1
,
原 真児登
1
,
梯 祥太郎
1
,
安森 翔
1
,
大野 隆真
1
1九州大学大学院医学研究院病態制御内科学
pp.66-72
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.05_0066-0072
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神経内分泌腫瘍は内分泌細胞を発生母地として全身に発生するが,消化器領域では膵臓と消化管が好発部位であり,膵・消化管神経内分泌腫瘍(gastroenteropancreatic neuroendocrine neoplasms:GEP-NEN)と総称される。希少疾患であるが,近年の疫学研究から疾患頻度の明らかな増加が報告されている1)2)。高分化型の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)と低分化型の神経内分泌がん(neuroendocrine carcinoma:NEC)に大別され,基本となる病理分類の理解が必須である。また,分子標的薬やソマトスタチンアナログの登場,内視鏡治療や外科治療の進歩も相まって,GEP-NENの集学的治療が大きく進歩している。GEP-NEN診療において,これらの多様化した治療法を適切に選択するには,正確な診断が何より重要であり,ホルモン産生能の評価,画像診断と組織学的診断がその中心となる。本稿では,2019年に改訂された膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン第2版(以下,GEP-NEN診療ガイドライン)や病理組織学的分類(WHO分類)も踏まえて,GEP-NEN診断の進歩や今後の展望について概説する。
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