Japanese
English
症例
除脳硬直を呈したセフトリアキソンによる代謝性脳症に対して血液吸着で治療し改善した1例
A case of ceftriaxone-induced metabolic encephalopathy with decerebrate posture treated with blood adsorption
平野 拓己
1
,
小谷 明
2
,
関口 紗千
1
,
阪 名月
1
,
松隈 英樹
1
,
袴田 秀樹
2
HIRANO Takumi
1
,
KOTANI Akira
2
,
SEKIGUCHI Sachi
1
,
SAKA Natsuki
1
,
MATSUKUMA Hideki
1
,
HAKAMATA Hideki
2
1船橋二和病院内科
2東京薬科大学分析化学教室
キーワード:
セフトリアキソン
,
脳症
,
除脳硬直
,
血液吸着
Keyword:
セフトリアキソン
,
脳症
,
除脳硬直
,
血液吸着
pp.125-129
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001405
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はじめに
セフトリアキソン(ceftriaxone:CTRX)は,胆汁排泄と腎排泄どちらの代謝経路ももつ第3世代セファロスポリン系抗菌薬であり,サンフォード感染症治療ガイドでは腎機能による調節が必要ない抗菌薬とされ,髄膜炎などを含め幅広い感染症で利用されている。CTRXによる脳症あるいは不随意運動といった報告は以前からなされていたが,最近になってよく認知されるようになり報告数が増えている。しかし,CTRXにより除脳硬直を呈した症例の報告はこれまでにない。筆者らは,CTRX投与中に意識変容・不随意運動が出現し最終的に除脳硬直を呈し,血液吸着(hemoadsorption:HA)を施行した維持血液透析(hemodialysis:HD)患者の症例を経験したため報告する。
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