連載 Medical Scope
IBDのバイオマーカー最前線
久松 理一
1
1杏林大学医学部消化器内科学 教授
pp.61-64
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.12_0061-0064
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炎症性腸疾患の診療は生物学的製剤の導入とともに大きく変化し,長期予後の改善に治療目標が置かれるようになってきている。そのために目標を設定したきめ細やかな治療(Treat to Targetストラテジー)が提唱されているが,その実践には客観的で患者負担の少ないバイオマーカーが必須である。近年,ようやく日常臨床で使用できるバイオマーカーとして便中カルプロテクチンや血清ロイシンリッチα2グリコプロテインが開発された。さらに,チオプリン製剤による重篤な急性白血球減少と全脱毛を予測するNUDT15遺伝子多型が保険収載された。炎症性腸疾患の診療はバイオマーカーにおいても新時代を迎えたといえる。
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