連載 Medical Scope
乾癬のバイオマーカー研究最前線
中島 英貴
1
1高知大学医学部皮膚科学講座 講師
pp.57-60
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.06_0057-0060
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
乾癬のバイオマーカーとして日常臨床でCRPが使用されているが,疾患活動性を正確に反映せず治療薬の有効性を判断する根拠にはならない。ロイシンリッチα-2グリコプロテイン(LRG)は主に肝臓から産生されるが,IL-6,TNF-α,IL-22などの炎症性サイトカインによって局所においても発現が誘導される急性期蛋白質である。乾癬においてLRGはPASIスコアと強い相関を示し,重症度に従い上昇する。さらに生物学的製剤投与後の血清LRG値は臨床スコアと連動して推移することから,血清LRGのモニターにより治療薬の増量,変更もしくは投与間隔の延長の判断と生物学的製剤中止後の再燃予測が可能である。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.