連載 Medical Scope
IBD患者のLifestyle Modification
加藤 正樹
1
1札幌厚生病院IBDセンター 医長
pp.63-66
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.10_0063-0066
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炎症性腸疾患患者が,その管理目標である長期間の寛解維持とQOL向上に確実に到達できる生活習慣の改善(lifestyle modification)は残念ながら存在しない。しかし,クローン病患者ではNSAIDs使用の回避と禁煙の遵守により再燃を抑制しうる。また,低脂肪,低残渣,低刺激食を基本にした食生活により病状を安定させる可能性がある。意に沿わない食事療法は,心的ストレスの要因になり望ましくない。潰瘍性大腸炎(UC)患者へ積極的に推奨される生活習慣の改善は少ないが,寛解期での不要な食事制限はむしろUC患者のQOLを損なうことになり,行うべきではない。生活習慣を指導する者は独善的にならず,謙虚に取り組む姿勢が大切である。
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