連載 Medical Scope
急性期脳梗塞の診断バイオマーカー
細木 聡
1
1国立循環器病研究センター脳神経内科
pp.67-72
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.10_0067-0072
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脳梗塞の診断は,脳卒中専門医であってもMRI画像なしには必ずしも容易ではない。近年,経静脈的血栓溶解療法と血管内治療を含めた急性期再灌流療法の進歩は目覚ましく,その適応は広がりつつあり,脳梗塞を発症初期に正確に診断することの重要性は増してきている。脳梗塞発症時には,虚血による生体反応に伴った種々のバイオマーカーが体内で変動することから,この変動が脳梗塞診断の指標になり得る。また,単独のバイオマーカーのみで判断するのではなく,複数のバイオマーカーを組み合わせたマルチマーカーなどの研究も進んでいる。いまだに実臨床において有用性が証明されているものはないが,今後さらなる多くの知見が集積されることを期待する。
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