連載 Medical Scope
ベーチェット病の成因研究最前線
竹内 正樹
1
1横浜市立大学大学院医学研究科眼科学教室助教
pp.61-66
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.04_0061-0066
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ベーチェット病は原因不明の全身性炎症疾患であり,遺伝的素因を有する個体に何らかの環境要因が関与することにより発症すると考えられている。最も強固な遺伝要因がHLA-B*51であることから,MHCクラスⅠを中心とする獲得免疫異常が注目されてきた。一方,臨床では発作性にみられる好中球優位の炎症など自己炎症疾患としての側面も併せ持つ。それを裏付けるように,自然免疫に関わる感受性遺伝子も数多く同定されており,さまざまな免疫系が複雑に絡まり病態を構築していることが明らかとなった。また,環境要因として病原体の存在が考えられているが,生体防御や口腔・腸管細菌叢に関する知見も得られてきており環境要因の解明も期待される。
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